FXのオシレーター系指標とは?おすすめの組み合わせを詳しく解説
FXのオシレーターとは
オシレーター指標の歴史:相場の波を読み解く先駆者たち
オシレーター指標 は、FX取引におけるテクニカル指標の一種で、相場の「買われ過ぎ」や「売られ過ぎ」を判断するための指標です。日本語では「振動指標」と呼ばれます。
しかし、オシレーター指標はどのように生まれ、現代のFXトレーダーに不可欠なツールとなったのでしょうか?
語源と発祥
オシレーターという言葉は英語の “Oscillator” に由来し、「振動する」という意味です。これは、オシレーター指標が一定期間の価格データに基づいて、現在の価格がその期間内の高値・安値と比較してどの位置にあるかを数値で表し、その数値が一定範囲を超えると買われ過ぎや売られ過ぎと判断する仕組みから名付けられました。
オシレーター指標の発祥は明確ではありませんが、19世紀後半に活躍したチャールズ・ダウ が提唱したダウ理論 がその基盤となったと言われています。ダウ理論は、相場の動きはトレンドとレンジという2つのパターンで構成されると考え、高値・安値の更新や出来高などの分析に基づいてトレンドの方向性を判断する方法です。
初期のオシレーター指標
ダウ理論の発表後、様々なトレーダーが独自の指標を開発し、その中にはオシレーター指標の原型となるものも含まれていました。
- 1898年: ラルフ・ネルソン・エリオットは、波形分析理論に基づいてエリオット波動 を発表しました。エリオット波動は、相場が一定の波形を繰り返すという考えに基づいており、オシレーター指標の開発に大きな影響を与えました。
- 1922年: ジョージ・H・レーサムは、ストキャスティクス 指標を開発しました。ストキャスティクス指標は、一定期間における高値・安値に対する現在の価格の位置を元に、買われ過ぎや売られ過ぎを判断する指標です。
- 1960年代: J. Welles Wilder Jr. は、RSI (Relative Strength Index) 指標を開発しました。RSI 指標は、一定期間における値上がり幅と値下がり幅の比率を元に、相場の強弱を測る指標です。
これらの指標は、当時のトレーダーの間で広く活用され、相場の分析に不可欠なツールとなりました。
現代におけるオシレーター指標
現代では、上記の指標に加えて、MACD やボリンジャーバンドなど、様々なオシレーター指標が開発されています。これらの指標は、コンピューター技術の発展により、より複雑な計算処理が可能になったことで誕生しました。
また、インターネットの普及により、オシレーター指標に関する情報が簡単に手に入るようになり、多くのトレーダーがこれらの指標を活用するようになりました。
オシレーター指標の未来
オシレーター指標は、今後も進化し続ける可能性があります。人工知能やビッグデータ分析などの技術を活用することで、より精度の高い指標が開発されるかもしれません。
しかし、オシレーター指標はあくまでも分析ツールの一つであり、単独で使うと誤信号が出やすいという注意点も忘れてはいけません。他の指標と組み合わせて、市場状況を考慮しながら活用することが重要です。
オシレーター指標の歴史を振り返ることで、現代のFXトレーダーが享受している恵まれた環境に感謝し、より深く理解を深めていくことが重要です。
トレンド系とオシレーター系の違い
トレンド系とオシレーター系は、テクニカル分析で用いられる指標の種類です。それぞれ異なる特徴を持つため、目的に合わせて使い分けることが重要です。
トレンド系指標
トレンド系指標は、相場のトレンド(方向性)を判断するために使用されます。代表的な指標は以下の通りです。
- 移動平均線: 過去の価格データに基づいて、現在のトレンドを判断
- 一目均衡表: 価格、トレンド、サポート・レジスタンスなどを総合的に分析
- ボリンジャーバンド: 価格の変動幅を示し、トレンドの強弱を判断
- トレンドライン: チャート上の高値・安値を結んだ線で、トレンドの方向性を判断
トレンド系指標は、トレンドに乗じた順張り取引に適しています。
オシレーター系指標
オシレーター系指標は、相場の買われすぎ・売られすぎを判断するために使用されます。代表的な指標は以下の通りです。
- RSI: 相場の強弱を判断
- ストキャスティクス: 買われすぎ・売られすぎを判断
- MACD: トレンドの方向性と強弱を判断
- RCI: 買われすぎ・売られすぎとトレンドの方向性を判断
オシレーター系指標は、トレンド転換を捉えた逆張り取引に適しています。
どちらの指標を選ぶべきか
どちらの指標を選ぶべきかは、投資スタイルや目的により異なります。
- トレンドに乗じて利益を狙いたい場合は、トレンド系指標が適しています。
- トレンド転換を捉えて利益を狙いたい場合は、オシレーター系指標が適しています。
また、両方の指標を組み合わせて分析することで、より確実な判断が可能になります。
オシレーター系指標のメリット
トレンド転換を捉えやすい: オシレーター系指標は、買われすぎ・売られすぎを検知するため、トレンド転換のタイミングを捉えやすいというメリットがあります。
初心者でも比較的使いやすい: オシレーター系指標は、計算式が比較的シンプルで、初心者でも理解しやすいというメリットがあります。
短期売買に適している: オシレーター系指標は、短期的な価格変動を分析することに適しているため、スキャルピングなどの短期売買に役立ちます。
オシレーター系指標のデメリット
シグナルが多すぎる: オシレーター系指標は、頻繁にシグナルを発するため、ダマシも多く、過信すると損失につながる可能性があります。
トレンド方向の判断には不向き: オシレーター系指標は、トレンド方向の判断には不向きです。トレンド判断には、トレンド系指標を併用する必要があります。
パラメーター設定に悩む: オシレーター系指標は、パラメーター設定によって結果が大きく変わるため、最適なパラメーターを見つけるのが難しいというデメリットがあります。
FXのオシレーター一覧
RSI
概要:
RSIは、相場の強弱を判断する指標です。過去一定期間における値上がり幅と値下がり幅の比率を元に、現在の相場状況を数値化します。
特徴:
- 買われすぎ・売られすぎを判断しやすい
- トレンドの方向性も判断可能
- 設定期間によってシグナルの頻度が変化
使い方:
- RSIが70%を超えると買われすぎ、30%を下回ると売られすぎと判断
- トレンド転換のタイミングを捉える
- ダイバージェンスの発生も確認
RCI
概要:
RCIは、RSIと類似した指標ですが、価格変動の範囲を考慮した指標です。トレンドの方向性と強弱を判断するのに役立ちます。
特徴:
- トレンド方向の判断に有効
- 買われすぎ・売られすぎも判断可能
- RSIよりもシグナルの遅れが少ない
使い方:
- RCIが65%を超えると買われすぎ、35%を下回ると売られすぎと判断
- トレンド転換のタイミングを捉える
- RSIと組み合わせて分析
ストキャスティクス
概要:
ストキャスティクスは、現在の価格が過去一定期間における高値・安値の範囲の中でどの位置にあるのかを示す指標です。買われすぎ・売られすぎを判断するのに役立ちます。
特徴:
- 買われすぎ・売られすぎを判断しやすい
- 短期的なトレンド分析に有効
- スキャルピングなどの短期売買に役立つ
使い方:
- ストキャスティクスが80%を超えると買われすぎ、20%を下回ると売られすぎと判断
- トレンド転換のタイミングを捉える
- スローストキャスティクスと組み合わせて分析
MACD
概要:
MACDは、2本の移動平均線の差を元に、トレンドの方向性と強弱を判断する指標です。トレンド転換のタイミングを捉えるのに役立ちます。
特徴:
- トレンド方向の判断に有効
- トレンド転換のタイミングを捉えやすい
- ダイバージェンスの発生も確認
使い方:
- MACD線がシグナル線を超えると買いシグナル、下回ると売りシグナル
- ダイバージェンスの発生を確認
- MACDヒストグラムの動きも確認
CCI
概要:
CCIは、現在の価格が過去一定期間における平均価格からどの程度乖離しているのかを示す指標です。買われすぎ・売られすぎを判断するのに役立ちます。
特徴:
- 買われすぎ・売られすぎを判断しやすい
- トレンドの方向性も判断可能
- ゼロラインを中心に上下動する
使い方:
- CCIが100を超えると買われすぎ、-100を下回ると売られすぎと判断
- トレンド転換のタイミングを捉える
- ダイバージェンスの発生も確認
サイコロジカルライン
概要:
サイコロジカルラインは、投資家心理に影響を与えやすいとされる価格帯です。キリ番や半値などがこれに該当します。
特徴:
- トレンド転換やサポート・レジスタンスラインとして機能する
- 投資家心理を分析するのに役立つ
- 他の指標と組み合わせて分析
使い方:
- 価格がサイコロジカルラインに近づいた時の動きを観察
- トレンド転換や反発・押し目・戻りのポイントとして利用
- 他の指標と組み合わせて分析
オシレーター系の組み合わせ
オシレーター系同士の組み合わせ
RSIとストキャスティクス: RSIは中長期的な視点、ストキャスティクスは短期的な視点で分析
MACDとストキャスティクス: MACDはトレンド方向、ストキャスティクスは買われすぎ・売られすぎを判断
RSIとRCI: RSIは一般的な指標、RCIはトレンド方向も考慮
オシレーター系とトレンド系の組み合わせ
RSIと移動平均線: RSIは買われすぎ・売られすぎ、移動平均線はトレンド方向を判断
MACDとボリンジャーバンド: MACDはトレンド方向と強弱、ボリンジャーバンドはトレンドの勢いを判断
ストキャスティクスと一目均衡表: ストキャスティクスは買われすぎ・売られすぎ、一目均衡表はトレンド方向、サポート・レジスタンスなどを判断
初心者へおすすめなオシレーター系指標の使用方法
オシレーター系指標は、相場の買われすぎ・売られすぎを判断するのに役立ちます。初心者にとって、以下の3つの指標がおすすめです。
1. RSI (Relative Strength Index)
- 概要: 過去一定期間における値上がり幅と値下がり幅の比率を元に、現在の相場状況を数値化
- 特徴:
- 買われすぎ・売られすぎを判断しやすい
- トレンドの方向性も判断可能
- 設定期間によってシグナルの頻度が変化
- 使い方:
- RSIが70%を超えると買われすぎ、30%を下回ると売られすぎと判断
- トレンド転換のタイミングを捉える
- ダイバージェンスの発生も確認
2. ストキャスティクス
- 概要: 現在の価格が過去一定期間における高値・安値の範囲の中でどの位置にあるのかを示す指標
- 特徴:
- 買われすぎ・売られすぎを判断しやすい
- 短期的なトレンド分析に有効
- スキャルピングなどの短期売買に役立つ
- 使い方:
- ストキャスティクスが80%を超えると買われすぎ、20%を下回ると売られすぎと判断
- トレンド転換のタイミングを捉える
- スローストキャスティクスと組み合わせて分析
3. MACD (Moving Average Convergence Divergence)
- 概要: 2本の移動平均線の差を元に、トレンドの方向性と強弱を判断する指標
- 特徴:
- トレンド方向の判断に有効
- トレンド転換のタイミングを捉えやすい
- ダイバージェンスの発生も確認
- 使い方:
- MACD線がシグナル線を超えると買いシグナル、下回ると売りシグナル
- ダイバージェンスの発生を確認
- MACDヒストグラムの動きも確認
初心者向けのポイント
- 最初は1つの指標に絞って使い方を覚える
- 複数の指標を組み合わせる場合は、それぞれの役割を理解する
- シグナルの過信は避ける
- デモトレードで練習する
オシレーター系の設定方法
オシレーター系指標は、MT4、MT5、cTraderなどのプラットフォームで利用できます。ここでは、各プラットフォームでの設定方法を説明します。
MT4・MT5での設定
- ツールバーの「挿入」をクリック
- 「インディケータ」→「オシレーター」を選択
- 使用したい指標を選択
- パラメータ設定ウィンドウが表示されるので、期間などの設定を変更
- 「OK」をクリック
cTraderでの設定
1.チャート上で右クリック
2.「インディケーター」→「新規」を選択
3.使用したい指標を選択
4.パラメータ設定ウィンドウが表示されるので、期間などの設定を変更
5.「OK」をクリック
各指標の設定例
- RSI: 期間: 14
- ストキャスティクス: 期間: 14, スローストキャスティクス期間: 3, シグナルライン期間: 9
- MACD: 短期移動平均線期間: 12, 長期移動平均線期間: 26, シグナル線期間: 9
まとめ
オシレーター系指標は、FXで相場の買われすぎ・売られすぎを判断するのに役立ちます。トレンド転換のタイミングを捉えることで、利益を得られる可能性があります。
メリット
- 買われすぎ・売られすぎを判断しやすい
- トレンド転換のタイミングを捉えやすい
- 短期売買に有効
デメリット
- シグナルが多すぎる
- トレンド方向の判断には不向き
- パラメーター設定に悩む
オシレーター系指標を活用する際のポイント
- 複数の指標を組み合わせて分析する
- パラメーター設定を慎重に行う
- シグナルを過信しない
- リスク管理を徹底する
主なオシレーター系指標
- RSI (Relative Strength Index)
- ストキャスティクス
- MACD (Moving Average Convergence Divergence)
- RCI (Relative Commodity Index)
- CCI (Commodity Channel Index)
- サイコロジカルライン
それぞれの指標の特徴
- RSI: 強弱を判断
- ストキャスティクス: 買われすぎ・売られすぎを判断
- MACD: トレンド方向と強弱を判断
- RCI: トレンド方向と買われすぎ・売られすぎを判断
- CCI: トレンド方向と強弱を判断
- サイコロジカルライン: 心理的な節目として機能
オシレーター系指標は万能ではありません
オシレーター系指標は、あくまで補助的なツールです。シグナルを過信せず、他の指標と組み合わせて分析することが重要です。また、リスク管理を徹底し、責任を持って投資を行うようにしましょう。