エリオット波動とは?手法を活用したFXトレード
FX取引で「エリオット波動」という言葉を聞いたことはありますか?
初めて聞いた方は「難しそう…」と感じるかもしれませんが、実はとても理にかなった相場分析手法なんです。
エリオット波動は1938年にラルフ・ネルソン・エリオットが考案した理論で、「相場は一定のパターンを繰り返す」という考えに基づいています。
この波動パターンを理解すれば、トレンドの方向性や押し目・戻りの水準を予測できるため、FXトレードの精度を格段に高められます。
この記事では、FXにおけるエリオット波動の基本から応用まで、わかりやすく解説していきます。
FX初心者の方でも理解できるよう図解や具体例を交えながら丁寧に解説していきます。
エリオット波動の基本さえ掴めば、あなたのトレード戦略に大きな武器が加わりますよ。
FXのエリオット波動とは
エリオット波動とは、1938年にアメリカの株式アナリスト「ラルフ・ネルソン・エリオット」が確立したチャート分析理論です。
もともとは株式市場の値動きを予測するために考案されましたが、現在ではFX市場でも広く活用されています。
初めて「エリオット波動」と聞くと難しそうに感じるかもしれません。
でも本質はシンプルで、「相場には一定のパターンがあり、それが繰り返し現れる」という考え方がベースになっています。
エリオット波動の基本は「5つの上昇波(推進波)」と「3つの下降波(修正波)」で1つの周期が形成されるという理論です。
このパターンを理解し相場に当てはめることで、今後の値動きをある程度予測できるようになります。
エリオット波動は数学的なフィボナッチ数列とも関連しており、市場心理学に基づいた理論としても評価されています。
なぜこれが有効なのかというと、相場は結局のところ人間の行動によって動いているからです。
人間の集団心理や行動パターンが数学的な法則性をもって表れるという考え方が、エリオット波動理論の根底にあります。
エリオット波動はFXの取引で根拠となるトレード戦略を構築するのに役立ちます。
「なんとなく」や「感覚」に頼るのではなく、明確なルールに基づいてエントリーポイントや利確ポイントを決められるのが大きな魅力です。
FXでのエリオット波動の特徴
エリオット波動の基本構造は「推進波」と「修正波」の組み合わせで成り立っています。
「推進波」は5つの波で構成され、「修正波」は3つの波で構成されます。
この8つの波が一つのサイクルとなり、市場の動きを表現しています。
FX市場では、この波動パターンが様々な時間枠のチャートで観察できるのが大きな特徴です。
上昇トレンドの場合、「上げ→下げ→上げ→下げ→上げ」という5つの推進波の後に「下げ→上げ→下げ」という3つの修正波が続きます。
逆に下降トレンドでは、「下げ→上げ→下げ→上げ→下げ」の5つの推進波の後に「上げ→下げ→上げ」の3つの修正波が続く形になります。
このパターンを視覚的に表すと、以下のようなイメージになります。
| 推進波(5波) | 上昇トレンド:上げ→下げ→上げ→下げ→上げ |
| 修正波(3波) | 上昇トレンド後:下げ→上げ→下げ |
| 推進波(5波) | 下降トレンド:下げ→上げ→下げ→上げ→下げ |
| 修正波(3波) | 下降トレンド後:上げ→下げ→上げ |
エリオット波動の興味深い点は、大きな波の中に小さな波が存在するという「フラクタル構造」にあります。
たとえば、1時間足チャートの1つの波の中に、5分足チャートでは完全な5-3波動が含まれているかもしれません。
この入れ子構造により、異なる時間軸での分析が可能になり、様々なトレードスタイルに対応できます。
また、波の形状や長さには一定の法則があり、それがフィボナッチ数列と関連しているというのもエリオット波動の特徴です。
エリオット波動の3つの原則
エリオット波動を実際のトレードに活用するには、基本となる3つの原則を理解することが重要です。
この原則を守ることで、より正確にエリオット波動パターンを認識できるようになります。
エリオット波動の3つの原則は、波の長さや位置関係に関する法則であり、これが成立していない場合はエリオット波動パターンとは見なせません。
それでは具体的な3つの原則について見ていきましょう。
- 原則①:推進波の第3波は、第1波や第5波より短くなることはない
- 原則②:推進波の第2波は、第1波の始点より下回ることはない
- 原則③:推進波の第4波は、第1波の高値を下回ることはない
原則①は、第3波が推進波の中で最も力強い波になるという特性を示しています。
通常、第3波は最も長く、取引量も多くなるため、トレーダーにとって最も利益を得やすい波と言われています。
原則②は、第2波が調整の役割を果たしていることを表しています。
第1波で上昇した後、第2波で調整(下落)が入りますが、その調整は第1波の始点を超えて下がることはありません。
これを違反すると、そもそも上昇トレンドが成立していないと判断されます。
原則③は、波の重複に関するルールです。
第4波は第1波の終点(高値)より下がることがないという法則で、これが破られると波のカウント方法を見直す必要があります。
これらの3原則を覚えておくことで、チャート上でエリオット波動を見つける際の判断基準になります。
ただし、完璧なエリオット波動パターンが常に現れるわけではありません。
市場は様々な要因で動くため、原則から外れるケースもあることを理解しておきましょう。
エリオット波動は判断の材料として使い、他のテクニカル指標と併用することで精度を高めることが大切です。
FXでエリオット波動を活用する2つのメリット
エリオット波動は、一見複雑で難しく感じるかもしれませんが、実際にFX取引に取り入れることで大きなメリットが得られます。
ここでは、FXトレードでエリオット波動を活用する際の主な2つのメリットを詳しく解説します。
一時的な価格変動でポジションを手放さなくなる
FX市場では、短期的な値動きに振り回されてしまうことがよくあります。
特に経験の浅いトレーダーは、一時的な価格変動に不安を感じてポジションを早めに決済してしまいがちです。
エリオット波動を理解すると、短期的な値動きは大きな波の中の小さな一部分だと認識できるようになり、冷静な判断が可能になります。
例えば、上昇トレンドの第3波の途中で一時的な下落があっても、それが波の一部だと理解していれば、慌てて損切りする必要はありません。
むしろ、その調整が終わったタイミングで追加のポジションを持つチャンスと捉えることもできます。
また、エリオット波動は様々な時間軸で分析できるため、日足チャートの上昇トレンドの中で、1時間足の下降修正波を確認することも可能です。
このように、複数の時間軸を組み合わせて分析することで、より正確な相場観を持てるようになります。
多くのFXトレーダーが短期的な値動きに翻弄されて利益を損なうケースがありますが、エリオット波動の知識があれば、中長期的な視点を持ってトレードできるようになるのです。
エントリーのルールを構築できる
FX取引で成功するためには、明確なルールに基づいたトレード戦略が欠かせません。
感覚や勘だけに頼ったトレードでは、長期的な利益を上げることは難しいでしょう。
エリオット波動を理解することで、「どのタイミングで買うか」「どの価格で売るか」といった具体的なルールを作れるようになります。
例えば、上昇トレンドにおける典型的なエントリールールとしては以下のようなものが考えられます。
- 第1波の上昇と第2波の調整を確認する
- 第2波の終了地点(第1波高値の50%~61.8%戻しの水準)で買いエントリー
- 第3波の上昇を狙い、第1波の1.618倍の価格を目標に利益確定
このようなルールを持つことで、感情に左右されない規律あるトレードが可能になります。
また、エリオット波動のルールに従うことで、リスク管理も容易になります。
例えば、エリオット波動の原則に反する動きが見られた場合は、すぐにポジションを手仕舞うというルールを設定することもできます。
このように、エリオット波動はただのチャート分析手法ではなく、トレード全体の指針となるものです。
エリオット波動のエクステンションとは
これまで基本的なエリオット波動の特徴や原則について解説してきましたが、実際の相場では理想的なパターンどおりに動かないこともあります。
そのような変形パターンの一つが「エクステンション」です。
エクステンションとは、5つの推進波のうち特定の波が通常より大きく伸びる現象を指します。
一般的に、第1波、第3波、第5波のいずれかがエクステンションになる可能性がありますが、特に第3波でのエクステンションが最も多く見られます。
エクステンションが発生すると、その波自体が内部で5-3-5のパターンに分かれることがあります。
つまり、一つの波の中に小さなエリオット波動が形成されるのです。
例えば、第3波がエクステンションを起こした場合、その第3波の中で新たに5つの推進波と3つの修正波が観察できることがあります。
このような入れ子構造は、エリオット波動の「フラクタル性」と呼ばれる特性です。
エクステンションパターンを理解しておくと、以下のようなメリットがあります。
- トレンドの強さを判断するヒントになる
- 大きな利益を狙える波を特定できる
- 通常のパターンでは説明できない値動きも理解できる
特に第3波のエクステンションは、強いトレンドの証拠として捉えられ、多くのトレーダーが注目します。
第3波でエクステンションが発生している場合、そのトレンドは力強く、大きな値動きが期待できるでしょう。
一方、第5波のエクステンションは、トレンドの終盤に起こることが多く、相場が過熱している可能性を示唆します。
このような場合は、突然の反転に備えて注意が必要です。
エクステンションを見極めるコツは、通常の5-3波動パターンでは説明できない大きな動きがあった場合に、その波の内部構造をよく観察することです。
より小さな時間枠のチャートで確認すると、エクステンションの内部構造がより明確に見えることがあります。
ただし、エクステンションを含むエリオット波動の分析は、特に初心者にとっては難しい場合があります。
まずは基本的な5-3波動パターンをしっかり理解してから、エクステンションのような応用パターンに移ることをおすすめします。
ダウ理論、フィボナッチとの組み合わせ
エリオット波動は単独でも強力な分析ツールですが、他のテクニカル分析手法と組み合わせることで、より精度の高いトレード戦略を構築できます。
ここでは、エリオット波動と相性の良い「ダウ理論」と「フィボナッチ・リトレースメント」との組み合わせ方を解説します。
ダウ理論との活用法
ダウ理論とエリオット波動は、どちらもトレンド分析に優れた手法として知られています。
この2つを組み合わせることで、より確実性の高いトレード判断が可能になります。
ダウ理論を使って相場の大きなトレンド方向を把握し、その中でエリオット波動を使って具体的なエントリーポイントや利確ポイントを見つけるという方法が効果的です。
例えば、ダウ理論で上昇トレンドと判断した場合、次にエリオット波動で第3波の始まりなどの有利なエントリーポイントを探します。
ダウ理論には「トレンドは継続する」という基本原則があり、この考え方はエリオット波動の第3波が最も力強いという特性と合致します。
また、ダウ理論の「確認」の概念も重要です。
例えば、ダウ理論で新しい高値と安値のパターンを確認してから、エリオット波動でその波の計測を行うといった段階的なアプローチが可能です。
具体的な活用例としては、以下のようなステップが考えられます。
- ダウ理論で上昇トレンドを確認(高値と安値が切り上がっている)
- エリオット波動で第1波と第2波を識別
- 第2波の終了地点で買いエントリー
- 第3波の上昇を狙う
このように、ダウ理論でトレンドの方向性を確認し、エリオット波動で細かいタイミングを計ることで、より精度の高いトレードが可能になります。
フィボナッチ・リトレースメントとの連携
フィボナッチ・リトレースメントは、相場の調整(戻り)幅を予測するのに役立つツールです。
エリオット波動とフィボナッチ数列には数学的な関連性があるため、この2つの組み合わせは特に効果的です。
エリオット波動の各波の調整幅や伸びる幅を、フィボナッチ・リトレースメントとフィボナッチ・エクスパンションを使って予測できます。
特によく使われる組み合わせは以下の通りです。
- 第2波は第1波の38.2%~61.8%戻し
- 第3波は第1波の161.8%程度に伸びることが多い
- 第4波は第1波から第3波上昇幅の38.2%~50%戻し
例えば、上昇トレンドの第1波が終わり第2波の調整が始まった場合、フィボナッチ・リトレースメントを使って第1波の38.2%~61.8%の水準をチェックします。
これらの水準は第2波の終了地点(=第3波の開始地点)として機能する可能性が高いため、買いエントリーのチャンスとなります。
また、第3波の目標価格を設定する際にも、フィボナッチ・エクスパンションが役立ちます。
第1波から第2波までの動きをもとに計算した161.8%の水準は、第3波の終了地点の候補として考えられます。
GMOクリック証券のFXネオなど、多くのFX取引プラットフォームには、フィボナッチツールが標準で搭載されています。
これらのツールを活用して、エリオット波動とフィボナッチを組み合わせた分析を行いましょう。
海外FX業者の中には、より高度なチャート分析ツールを提供している会社もあります。
XMTrading、Exness、FXGTなどの海外FXブローカーは、MetaTrader4/5を提供しており、より多彩なテクニカル指標やツールを使ったエリオット波動分析が可能です。
よくある質問
エリオット波動についてよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
初心者の方が抱きやすい疑問にも答えていますので、ぜひ参考にしてください。
エリオット波動の計算方法を教えてください。
エリオット波動に特別な計算式はありません。
チャート上で5つの推進波と3つの修正波を視覚的に識別し、波の高さや長さの比率を確認します。
フィボナッチ比率(38.2%、50%、61.8%など)を使って波の調整幅や伸び幅を予測するのが一般的です。
ダウ理論とエリオット波動の違いは何ですか?
ダウ理論は相場のトレンド方向を判断する手法で、「高値・安値の切り上げ/切り下げ」に着目します。
一方、エリオット波動は相場の波形パターンに注目し、5-3波動の繰り返しから次の動きを予測します。
ダウ理論が大きな方向性を示すのに対し、エリオット波動はより細かい動きを分析できます。
エリオット波動と一目均衡表を組み合わせるメリットはありますか?
あります。一目均衡表の雲(くも)やラインは、エリオット波動の波の転換点となることが多いです。
特に第2波や第4波の終点を見極める際に、一目均衡表の支持・抵抗レベルと照らし合わせることで、より正確なエントリーポイントを見つけられます。
エリオット波動分析に便利なアプリやツールはありますか?
MetaTrader4/5にはエリオット波動ツールが搭載されており、波形を簡単に描画できます。
また、MotiveWave、ElliottWaveMaker、WaveBasisなどの専用ソフトもあります。
海外FX業者のXMTradingやFXGTなどは高機能なチャートツールを無料で提供しています。
エリオット波動でチャネルラインを引く方法を教えてください。
基本的には第1波と第3波の高値、第2波と第4波の安値を結んでチャネルラインを引きます。
このラインは第5波の終点予測に役立ちます。
上昇トレンドでは上側のラインが第5波の目標、下降トレンドでは下側のラインが目標になることが多いです。
FXでエリオット波動理論を勉強するのにおすすめの本はありますか?
初心者には「入門 エリオット波動」(ロバート・プレクター著)、「FXチャート実践帳」(尾崎友紀著)がおすすめです。
中級者以上なら「エリオット波動入門 すぐに役立つ実戦テクニック」(A.J.フロスト、ロバート・プレクター著)が体系的に学べます。
エリオット波動を使ったレンジ相場での取引手法はありますか?
レンジ相場ではABCの3波修正パターンが現れやすいです。
上限と下限の間でABC波を特定し、C波の終点で逆張りする手法が有効です。
フィボナッチ・リトレースメントで調整率を計算し、61.8%や78.6%の水準で反転を狙います。
エリオット波動による分析でテクニカル指標と併用すべきものは何ですか?
RSI(相対力指数)、MACD、ストキャスティクスなどのオシレーター系指標との相性が良いです。
これらは波の転換点でのダイバージェンス(乖離)を示すことが多く、波の終了を予測するのに役立ちます。
また、移動平均線も波の支持・抵抗レベルとして機能します。
エリオット波動のルールに沿った利確ポイントの見つけ方を教えてください。
推進波(特に第3波、第5波)の終点が利確に適しています。
第3波なら第1波の1.618倍、第5波なら第1波の0.618~1倍の水準を狙います。
また、フィボナッチ・エクスパンションの161.8%や261.8%の水準も有効な利確ポイントです。
初心者がエリオット波動の波の数え方を練習するコツはありますか?
まずは完了した明確なトレンドのチャートで練習しましょう。
日足や週足の長期チャートから始め、5-3のパターンを探します。
三原則(第3波が最短でない、第2波が第1波始点を超えない、第4波が第1波終点を超えない)を常に確認し、複数の時間軸で波を確認する習慣をつけると上達します。
まとめ
エリオット波動は、FX市場の値動きを予測する上で非常に有効なテクニカル分析手法です。
この記事で解説してきたように、エリオット波動は「5つの推進波」と「3つの修正波」の組み合わせで構成され、相場が一定のパターンを繰り返すという理論に基づいています。
市場で正確にエリオット波動を見極めるためには、3つの基本原則をしっかり理解することが大切です。
エリオット波動を活用すれば、一時的な価格変動に惑わされずに中長期的な視点でトレードできるようになり、明確なルールに基づいたエントリーポイントを見つけることができます。
また、エクステンションという特殊パターンを理解することで、通常のパターンから外れた値動きにも対応できるようになります。
より精度を高めるためには、ダウ理論やフィボナッチ・リトレースメントなど、他のテクニカル分析手法と組み合わせることも効果的です。
最初は完全に理解できなくても、少しずつチャートで波を見つける練習をしながら、自分のトレードスタイルに取り入れていくことをおすすめします。
FX取引での成功は、単一の分析手法だけに頼るのではなく、複数の手法を組み合わせ、市場の動きを多角的に分析することから生まれます。
エリオット波動をあなたのトレード戦略の一部として活用し、より一貫性のある取引を目指してください。




